モノづくりのハードルが下がると世の中が建設的になる【書評】MAKERS

 

話題のクリスアンダーソンの本 MAKERSを読んだ。
環境が整って素人によるモノづくりがドンドンやりやすくなっているって話。

本の概要

ネット上のコミュニティやWebサービスの発達により
試作品を作りやすいツール、
消費者の意見をリサーチできる場、
増産のための資金調達できる場が整いつつある。

しかも今までのような、ターゲットを勝手に決めた
当たるか当たらないか
わからないようなリサーチじゃなく、
まずターゲットは自分。
自分が欲しいものを企画し、
自分と同じようにそれを欲しいと思う人がどれほどいるか
世間に向かって問いかけられる。

その欲しがってる人の要望を直接聞けたり
果てはその人たちが無償で積極的に協力してくれて
製品を改善してくれる、という
少し前なら夢のような話が、いま現実となりつつある。
モノづくりする人にとってはまさに新しい産業革命が起きようとしている。

なんて話。
(モノのデータ化、というめちゃくちゃ刺激的な概念も説明されているが
それはまた別の機会に)
とにかく面白い。
今までのモノづくりに対する考え方がガラリと変わる心地よさ。

結局、世の中全般にどういう影響があるか

製品開発の永遠のテーマ、ニーズかシーズか。
ニーズを掴むにはどうしたらいいか。
そういう議論が全部ぶっ飛ばされる。
だって自分が欲しいもの作るだけなんだもの。
究極のニーズドリブン(needs driven)。

本書の帯には「製造業の未来がここにある」と銘打ってあるが、
マーケティング業者にも革命であり、
彼らにとっては地殻変動にちかいマイナスの影響があることだろう。
まあしかしマーケティングの話は割愛するとして。


ものづくりのリスクとハードルがどんどん下がるとどうなるか。

口だけの批評家が、どんどん存在感下がるのでは?

文句があるなら、自分で改良版の製品を作ればいいんだもの。
あるいは、コミュニティに参加して建設的な改善案とし提出すればいい。

以前なら批判する人に対して「じゃあ自分でやってみろ」とは
言うても、言う側にもあきらめがあった。
そりゃ自分でやるのは難しいよね、って。

しかしこのメイカー環境が整った時代。

動く気があるかないか、ぐらいしか障壁にならない。
外から口だけ出してるやつは、ただの動く気がない奴って思われてしまう。
つまり、相手にされなくなる。

そういうことなんじゃないだろうか。
他人の発想を刺激するような
クリエイティブで建設的な批評ができる人は残る。
それ以外は淘汰される。

いい世の中になりそうじゃない?
すごく厳しくもあるけどね。

MAKERS―21世紀の産業革命が始まる

MAKERS―21世紀の産業革命が始まる

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