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全員が一致団結しなくたっていいじゃない。ライフネット生命出口CEO講演を聞いて【その4】

 

さて第四回、最終回は「2:6:2を受け入れる」です。


引き続き、チームの生産性とモチベーションの話。

2:6:2の法則。
聞いたことがある方も多いと思います。
これについては「働かないアリに意義がある」という本なんか面白いんですが、
「アリの集団で、普段本当によく働いているアリは、ほんの2割にすぎない」という話。
あと6割はテキトーに働いて、残り2割は全く働かない。

で、その2割の働かないアリを取り除いても、残ったなかの2割がまた働かなくなる。
逆に上位2割のよく働くアリを取り除いたら、残りの中からまた2割の働き者が現れる。

という。

で、これはどんな動物でも、どんな集団でも当てはまる。
アリについての研究結果なので、
人間でも厳密にそうなのかは、わかりませんが。
例えばサッカー日本代表なんかには、当然、当てはまらないし。

ただ、一定以上の規模の集団を率いる時、こうだと思っておいたほうがいい、ってのは
多くのリーダーが経験的に同意するところ。

それが、ある種のしなやかなリーダーシップを生むんですね。
チームの全員がいつも目標に向かってまっしぐら、ってわけにはいかないよ、とか。

まぁそりゃ、人間ですから。
やる気になる目標と、やる気を削がれる目標と、ひとそれぞれでしょう。
同じ人だって、会社では働く2割だけど、町内会では働かない2割だ、とかね。
そこをまず、受け入れる。
「何で皆、一致団結して目標達成に突進しねんだよ!」とか思っても、
「人間ってそういうもんですよね〜」
という諦観をどこかに持っておく。

その上で、目標達成にはどうしたらいいか。
(諦観だけで終わったらリーダーいる意味ないですから)


働く2割に頑張ってもらう、というのが出口さんの解。
働く2割に、大きな方向性だけ示し、どんどん好きにやってもらう。
すると残りの6割もぼちぼちついて行く。
すると最後の2割も仕方なしに、まあやるか、とついて行く。

底上げを図ろうとして最後の2割に働きかけるより、
ずっと効率よくパフォーマンスが上がる、という話。

まあ、そうかもしれないですね。
そのほうが、結果的に全体が動く感じがする。


ここで思い出したのは、賛同者が一定の割合を超えると一気に広がる、という話。
キャズム理論なんかに近い。
あと、フォロワーシップというと必ず話題に上がる、このTEDトーク。

動かない人を無理に動かすんじゃない。
2:6:2の法則とフォロワーシップを使って、上手く導く。
ぜひ覚えておきたい。

最後に

さて、ここまで四回に渡って講演から考えた事などを書いてきたわけですが、
最後に全体を通して感じたことを。


なんか、出口さんのお話って、
「べき論」じゃないんです。
何についても「人間ってこういうもんだよね」というベースの受け入れがあって、
(大げさに言えばそれは人間愛だと思う)
その上でこうしていこうよ、という方策がある。

だから何かシンプルでしなやかなんですよね。

パワーで制するのではなく、
柔よく剛を制す、みたいな。

だからもしかしたら、統制を効かせたいタイプのリーダーには合わないかもしれないけど、
メンバー間の相乗効果を生んだり、
100%以上の力を発揮してもらったり、
答のないテーマに取り組んだりする、
これから必要となるリーダーシップにはとても合うと思う。

ここで四回に渡って書いてきたことを、
表面的なテクニックとして会得するのではなく、
もう少しじっくりと咀嚼して、
全ての根底に流れる「人間に対する理解」を自分のものにしたいと思います。

ここまで思い至ったのは、やっぱり直接お会いして話を聞いたからこそ。
つくづく、講演会開いて良かったなぁと思います。

出口さん、本当にありがとうございました。

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なお、文中で言及した本はこんなのです。
本文をより読みやすくするため、今回は最下部においてみました。
面白いです。おすすめ。

働かないアリに意義がある (メディアファクトリー新書)

働かないアリに意義がある (メディアファクトリー新書)


四回全部読んで下さった方、ありがとうございました。
今回の流れには上手く乗せられなかったけど、
もうひとつだけ記録しておきたい話があるので、後日番外編をひとつ書くつもりです。